路側帯の通行

 ママチャリさんから、「自転車は左側通行です」の記事について、お便りをいただきました。

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「自転車は左側通行です」の記事を
拝見しました。

無自覚な自転車乗りで、この原則は知りませんでした。

今朝、商店街のようなところで右側を走っていたら対抗してきたロードレーサーに「自転車は左!」と突然叫ばれて頭にきました。(相手は避ける気がなく、道路に店の看板が出してあったので自分が止まったにもかかわらず罵られたから尚更です)

で、頭にきたので調べてみたら「路側帯なら左右は関係ありません。」という情報を知りました。
そもそも、路側帯の設置されているような箇所では譲り合って通行すればよいのではないでしょうか?(人やモノでごった返しているので)

機会があれば路側帯のある箇所でまで自転車は左側通行なのかについても記載していただけると有難いです。

ママチャリの自分としては「ロードレーサーなら商店街じゃなくて国道走れよwww」と叫びたくなりました。

(「自転車は左」と妄信して、他人に間違ったルールを押し付けるバカが増えないことを祈ります)
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 ずいぶんとお怒りのようですね。
 いきなり叫ばれては、頭に来るのもわかりますが、ここは冷静に考えてみましょう。


 実際の道路状況がどうであったのか、お便りから察すると、歩道が設けられておらず、路側帯のみがある道路でしょう。
※これがもし、歩道のある道路で、車道の端にある外側線のことを指しているのだとしたら、また事情は違ってきます。

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道路交通法
(定義)
第二条
三の四
 路側帯 歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。
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 路側帯は、あくまでも歩行者のための通行部分ということです。

 ママチャリもロードレーサーも歩行者ではありません。道路交通法上は、

 車両 > 軽車両 > 自転車

という関係にあり、どちらも軽車両であり、車両であるとなります。


 では自転車は路側帯を通行しても良いのでしょうか?

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(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。
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と、車両は通ってはいけないとした上で、

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(軽車両の路側帯通行)
第十七条の二 軽車両は、前条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる
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 ここはあくまで「できる」と書いてあるので、軽車両である自転車は、原則は車道の左側端によって通行します。
※車両通行帯の設けられた道路では一番左の通行帯を通行します。
 その上で路側帯も通行できるということで、あくまでも左側通行です。右側を通行しても良いとは読めません。

 ママチャリさんは「路側帯なら左右は関係ありません。」という情報はどこで得られたのでしょうか。情報源がわかれば、もう少し調べたいと思いますのでご連絡ください。

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第十七条の二
 前項の場合において、軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
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 あくまでも、路側帯は歩行者の通行部分です。歩行者がいた場合には車道へ出るようにしましょう。その際には後ろから来るクルマに注意し、できれば合図をしてから右へ出るようにしましょう。


 「自転車は左」は妄信ではなく、自転車どうし、あるいは自転車とクルマの正面衝突を避けるために守るべき、最低限のルールではないでしょうか。
 ぜひとも皆さん、左側通行を守ってください。


その2へ続く



※私は法律の専門家ではありません。一般市民として条文を読み、解釈しているだけなので、もしも誤りに気付かれた方はご一報ください。


TEAM KEEP LEFT
(2008/08/19 投稿)
(2013/08/15 更新)